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『アクセル・ワールド』1 母と子の物語

落渕です。

普通に本の感想など。


アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
(2009/02)
川原 礫

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『アクセル・ワールド』でございます。ちょうどアニメの1話をやった後くらいのタイミングですが、私はまだ観てなかったりします。そして原作1巻の内容をここで書いてしまうとネタバレになりそうなので、間がいいのか悪いのか。
念のため、本編に絡む部分は後に回す方向で。

で、「電撃大賞!ウォー!」「アゲハー!アゲハー!」「アニメ化!」「アゲハー!」と、鳴り物入りというか既に評価が確立されてる感があるのかなぁ、と思いつつ読んだわけですが、普通にすごい、さすがの完成度です。
一巻を入り口にして徐々に、というものでもなく、プロローグ的でありながら、このボリュームのストーリーにしてこれ以上ないくらいの終わり方をしています。

曲者的な文章だとか、容赦ない倫理のドライブ感だとか、突き抜けたギャグとか、ケレン味のある設定だとか、そういうのではなく、構成力の権化とでも言うべきスタイルだと思います。一撃一撃に派手さがないように見えるが、最後には全要素が直列に並ぶように配置されていて、ドカンと読者の頭を貫くような。

ということで中身をみつつ、つづき。

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『生徒会探偵キリカ』1 この書き出しがすごい

ご無沙汰してます。クーロンパンダ落渕です。

色々と手が出なかったり足が出なかったりですが、
第十四回文学フリマは参加予定だったりします。

この体たらくでどうにかなるのか…まあどうにかなるさきっと。



生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)
(2011/12/02)
杉井 光

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もう2巻が出たという頃合ですが、講談社ラノベ文庫創刊ラインナップのキリカさんです。
杉井光御大を投入して学園もので探偵要素と、当てに行っている感じがものすごいのですが、期待に応えた出来というか、手堅い作りです。

コンプレックス持ちの少年主人公、曲者ぞろいの少女生徒会。
不器用な天才、母性的な天然キャラ、父性的な曲者の大黒柱、…と生徒会の面々は居心地のよい擬似的モラトリアム的な家族を形成しています。そこに学園内の外部や、学園外の外部の力が加わって事件が起きる…と。

武器のような、不器用な天才キャラのキリカを、「無能」な主人公のひかげが奇抜なアイデアやら詭弁で使いこなす、という型は、ラノベの定番的です。


まあ……この手の俯瞰的な視点は置いといて、今作、出だしがすごかったです。
数ページですが、スッと引き込まれるものがありました。技量の冴えというのを感じます。

ということで、つらつら引用しつつ検証してみます。

 ※ ちなみに↓の公式ページでも冒頭は試し読みできるようで。
  http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/90008

 八億円、である。



最初の一文がこれです。出だしにどうやってインパクトを与えるか、は悩まれるところですが、今作では、分かりやすく大きくて、現実的に価値を判断しやすい「もの」を冒頭に持ってきています。
さて、ここからどうつなぐか。

 僕が通っている学校の、生徒会予算総額の話だ。八億円といったらちょっとした会社の年間予算に匹敵する。我が校の実体を知らない人に行っても最初はなかなか信じてもらえない。姉に話したら「桁いくつ間違えてんの?」と笑われた。



間髪空けずに、八億円を、生徒会と結びつけます。タイトルからして生徒会は出てきているので、これを隠さず直球でつなげます。無駄がないですね。八億円→生徒会→ふしぎ! くらいのスピード感です。
第三者視点として「姉」を入れて読者と同調ですね。

 でも、中高一貫のマンモス校で、総生徒数は八千人、クラブの数は三百を超え体育会系も文化系も全国大会常連クラスの部をいくつも抱え、さらには一部の施設の維持費も生徒会予算でまかなわれているーーと説明すると、「むしろ足りないんじゃないの?」と心配してくれた。



視点を、生徒会の外の、学校全体に広げます。「八億円」という単体の概念が、具体的な活動の費用として提示されることで学校の規模、活き活きとした生徒達の活動、のイメージにつながります。
「むしろ足りないんじゃないの?」による価値のベクトルの反転。

 実際その通りだ。個人として見れば気の遠くなるような額だけれど、うんざりするほどたくさんの部活動と委員会活動に振り分けていけばあっという間になくなる。



語り手の主観を交えた文章に一旦落ちます。これの前の段落は、客観的事実+姉視点での評価での構成で、語り手が生徒会内の人間かどうかは不明でした。ここで、「うんざり」という主観語によって、語り手の位置が定まります。
個人の視点へのシフト、という感じですね。

 五月になると、委員会と部活の代表者どもが好き放題な額を書いた予算申請書を持って、生徒会室に殺到する。それらをすべて勘案、吟味、審査、嘲笑、無視して年度予算を組み上げているのは、驚くべきことに、たった一人の女の子である。



「代表者ども」「殺到する」によって、生徒会室を消失点にした集中線を描くような、動きのある文です。
「それらすべてを~」によって、その集中してくる「もの」を、個人の感情が受け止めて振り回すようなイメージ。ここに「嘲笑」「無視」が入っているのが、組織でなく個人であるかのような躍動感になります。
「驚くべきことに」は語り手の主観語ですが、「八億円」には驚いていないが、「女の子」には驚いているという対比関係になります。

焦点の「女の子」これがキリカであることは予感させられるわけですが、ここに至るまでに、八億円→学校全体 と焦点を一度拡大させておいて、「委員会と部活の代表者ども」を集中線に使った空間で、「一人の女の子」に焦点を収縮させる、という十分なダイナミズムが発揮されています。

改めて見れば、キリカのキャラ紹介としてまるで無駄がない構成であり、学校の紹介にもなっていて、主人公の立ち位置にも言及している、と、まあ素敵な出だし。

しかも、ここまでが1ページにちょうど収まっていて、「たった一人の女の子である。」でページが切れているという…。職人芸的な印象すらあります。


この「女の子」に興味を十分に引きつけられた状態で、読者は1ページ目をめくる、と。
何とも幸せな出だしではないですか。


ということで…2巻買わないと。


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落渕

津原泰水『11』「五色の舟」 夢の岸辺

落渕です。
久々に読んだ本の感想など。

津原泰水さんです。『蘆屋家の崩壊』以来。最高傑作という帯にひかれまして。


11 eleven11 eleven
(2011/06/16)
津原 泰水

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11の短篇集ということで、一作ずつのらりくらりと書いてみたいと思います。


巻頭を飾る「五色の舟」。
ざっとあらすじを言ってしまいますと、戦中と思しき時代、語り部の「僕」を含む見世物屋一家が某所に現れた「くだん」を探し、「くだん」にまつわる怪異に巻き込まれて…という流れです。ノスタルジックさ、異形感、少しSFチックな仕掛け、と、和製スチームパンクといった印象です。
「くだん」を巡る事件がメインプロットではありますが、短編だけあってあっさりしていまして。どちらかと言えば、「僕」を含む見世物屋一家の設定が、この世界観の中核を成していると言えるかもしれません。


本作のキーコンセプトは「夢」ではないかと思います。

見世物屋の一家は、異形の世帯です。脚のないお父さん、一寸法師の昭助兄さん、元はシャム双生児で今は体中に鱗の刺青をしている桜、膝の関節が後ろ前の牛女の清子さん、そして、腕無しの「僕」。

語り部の「僕」は、腕がない上、耳も聞こえません。桜とだけは「特別な言葉」で話すことができますが、「僕」も桜も普通に話すことはできません。
「僕」は耳は聞こえないが、他人が何と言っているかは分かる、という特別な境遇の語り部です。このため、作中では、通常の人物の発言は 丸括弧("(" と")")で表され、「特別な言葉」は、鉤括弧("「"と"」")で表記されています。

「僕」と世界の距離は「遠い」のです。
目に見えるし、聞くこともできるが、どこかフィルターにかかったようにぼやけていて、触れず、話すこともできないもどかしさがある。そういう世界で、お父さんが「くだん」を手に入れようとするのを見ては、不安を抱えたりする、そんな語り部の「僕」です。



見世物屋一家は、各地を巡る生活をしていて、舟に住んでいます。川辺に浮かぶ舟、が本作の絵です。
「僕」は作中で繰り返し夢を見ます。

一家が乗る舟が沖合に出ていて、他の舟とぶつかりそうになる。すれ違う時、家族の誰かがそちらの舟に乗り移ってしまう。相手の舟が見えなくなってから、気づくと元の舟に家族全員が揃っている。

というものです。
この舟の夢は、本作後半で「くだん」によって起こされる、パラレルワールドへの乗り換え、を予知するような内容となっているのですが、このような夢の光景の描写は、作中の「現実」における異形達の舟上生活の夢幻性と折り重なり、読者にとっての「現実」の所在を揺らすものとなっています。

舟の夢の後、「僕」と桜が夢の内容を伝えようと脚で絵を描いたり、必死で「舟」と声に出してみたりするシーンは、夢の中で何かをしようとしてできないような、もどかしさを連想させます。



本作の結末では、前述の通り「くだん」によるパラレルワールドへの移動によって、多重世界に多重に存在する自分達、という感覚が提示されて終わります。
この多重感は、作中設定で、というだけでなく、「僕」による、夢の延長のような語りによって、読者にとっても夢の中に迷い込んだような感覚として現れてきます。


本作の末文は以下となっています。

色とりどりの襤褸をまとった、あの美しい舟の上に。



五色の舟、というタイトル。五という数は、「僕」達の家族の人数と一致するのでその意味もあるでしょう。ただ、夢の中の舟、というイメージからすれば、一定でなく見るたびに変わるようなとらえどころのない色、として見るのがいいかもしれません。
光が眩しく反射する水面にあって、ひとつの色におさまらない、そんな舟の風景が本作から浮かび上がってくるのでは、と。

※ 水面、というと『蘆屋家』の「水牛群」もそんなイメージだったような…。


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落渕

『黄昏世界の絶対逃走2』セッテイガー

落渕です。

続編出ないかと思ってたら出てしまってびっくり嬉しい本作でした。


黄昏世界の絶対逃走2 (ガガガ文庫)黄昏世界の絶対逃走2 (ガガガ文庫)
(2010/12/17)
本岡 冬成

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前作はあまりにきれいに終わったので、続編の内容はどうなるかと思ってましたが、世界とか設定だけ共通で登場人物は一新です。黄昏って設定が強烈なので、群像劇的な構成でもテーマを統一しやすいかもですな。

今回は主人公の少年シズマ、妹のアオイ、黄昏のない世界から来た謎の少女トワが主要登場人物。シズマ、アオイの兄妹は不穏な世の中で肩を寄せ合って生きている感じです。しかし、それが行きすぎて、相互依存になってしまっている、という所もあるのですが…。兄妹ものなんて、ねぇ。

兄妹が住んでいるのは、黄昏のない世界=都市の、壁周辺に自然発生した「境界都市」。九龍城みたいなもんですかね。シズマの仕事は、その境界都市というか壁周辺で、黄昏病で死んだ人の死体を回収する、というもので…所属は「公共黄昏検疫局」だそうです。自分の仕事を毛嫌いしつつも、妹のためと理由付けをしながら生きている、みたいなね。
…改めて書きだしてみると、「使えそう」な設定が満載という感がありますね。設定をこれだけ組んでおけば、一箇所つつけば物語が動く、という状態かと。
で、その一箇所がトワなわけで。まあ、大体想像がついてしまうような役回りのキャラなんですけどね…。

こっから先の設定はネタバレもいいとこですが、もう発売してしばらく経ってるから大丈夫か。


トワはアオイと双子だったのだけど、産まれた時に都市で拾われて、トワは黄昏の君になり、アオイは外の世界に戻された、みたいな設定です。物語内の時間軸では、トワは研究されつくしたため、一旦、黄昏の君の任を解かれ、実験としてシズマ達の家に派遣されています。
そして、都市内の研究者は、トワに代わって黄昏世界で育ったアオイを使って研究しようと、アオイを強奪します。そこから、兄シズマによる救出・逃走劇が…という感じでして…。

最終的には、まあ、ハッピーエンドがあり得ない本シリーズなので、うむむ、と唸ってしまうような結末になるのですが。それでも前作から続く、最後の最後で踏ん張って前を向くような明確な意志が込められた結末ではあります。これはもう醍醐味と言ってもいいかも。


総評としては…ちょっと設定が込み入りすぎていて、文庫一冊分のプロットでは消化しきれなかったのかな、という印象だったりします…。シズマ、アオイ、トワの時点で兄妹+双子ですからねぇ…。前作の、奪取→奪還→逃走みたいなシンプルなプロット+力強い描写&メッセージに比べるとどうしても入り込みにくくなってしまった感が。

ポイントはトワですかねぇ。元・黄昏の君、というのは前作のメアリと同じですが、トワは明確に自分の意志でもって兄妹の行く末を見届けようとします。最もこの世界の真実に近いところにいる人物、という感があります。それ故に読みきるのが難しくもあるのですが。

ああ、そうか次作があれば、トワ主人公でもう一発どうでしょうねぇ…。


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落渕

『天使から百年』 オーバーキルなんとか

落渕です。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

ぼけっとしていたらいつの間にか年が明けていましたが、いつものことですね…。

今回こちら。
天使から百年  魔人と主人と廃棄物 (富士見ファンタジア文庫)天使から百年 魔人と主人と廃棄物 (富士見ファンタジア文庫)
(2010/05/20)
野梨原 花南

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「魔人と主人と廃棄物」というサブタイトルから、中二病っぽさがヒシヒシと出ていて博打のつもりで買ったのですが、結果的には大当たりでした。作者の野梨原花南さん、女性向けラノベ方面ではベテランだそうで。知りませんでした。

あらすじ。主に魔法が出てくる学園ファンタジーもの、ですね。主人公のカイが、色々あって魔人フジシロユイカを召喚して異世界からやってくる敵と戦う、のですが、その魔人というのがどう見ても現代の日本人女子高生でおやおや、という感じです。カイ、ユイカとも女の子なので百合っぽさが多少…。
多少ネタバレですが、1巻終了時点で、カイ他が現代日本に飛ばされたりしてます…。全3巻予定だそうなのでその先どうなるか分かりませんが。

まあまあ、その辺が簡単な紹介なのですが、とにかく本作、文章が練れてます。今までで一番好きなんじゃないかってくらい。客観的に見て上手いとは思わないけど好きな文章、という人は他にもいますが、この人のは、好きだし上手いと思う、クラスです。

フォーマットは、カイの一人称に限りなく近い三人称です。カイがいる場面では、地の文がカイの心情になる感じで。傾向は、かなり絞り込んだ選択的な描写ですね。情報量は多くなくて、文章密度は濃くないですが、言葉の配置・構成で行間を構築する感じです。
地の文はカイっぽい語り口になっているので、結構簡素な普通の語り方です。女子の会話パート、特にユイカの台詞とかは現代人っぽく、かなり口語チックな崩れ方をしているのですが、それでも構成・リズムが練られている感があります。
あとはプロット全体の流れもこれと同等で、展開がすごく速いです。入学初日に魔人を召喚して敵と戦うとか、そんなんで。場面転換やら章立ても含めてリズムを作っている感があるので不快なことはないですが…改めて考えると確かに速い…。

印象深かった箇所を引用。
カイとジャンセン(男子生徒)との会話シーン。

「ルスタイン語ってどんなの?」
「公用語にはない、なんていうかなぁ……幅があって。俺は好き。ミステラだったらこの国だよね」
「うん、ここから二時間……て、空港があるから知ってるよね。通ってきたものね。その、うんとはずれ。電車で二時間だけど、駅まで車で一時間。車がないとどこにもいけないの」
 子供の頃からの閉塞感を思い出して、カイは苦笑する。
「車で一時間なら自転車なら三時間だろ?」
「え」
 思いがけないことを言われて、カイはなんだか身体が温かくなるのを感じる。
 さっきの、恥ずかしさで熱くなるのではない。なんだろう。
 おなかの中に星が落ちたみたいだ。
「……そうか。そうね。いやだ、思いつかなかった。だって私自転車持ってたのよ」
 ジャンセンが笑う。
「じゃ、今度やってみれば」
「そうする!夏期休暇ってあったよね」



なんのことはない自己紹介からの場面ですが、カイの生い立ちやら精神性が色々想像させられる、よく練られた会話です。何気ない会話からふっと驚きにつながる、というのが技っぽい。

ジャンセンとの会話の続き。

 ジャンセンはテーブルクロスを指の腹で少しなぞる。考えながら話しているとわかる仕草だった。
「こんな真っ白なテーブルクロス、学校で見たことねぇよ。駅だって街だって、俺たちのために作ったんだろ? そんならロ機関ってのは本気なんだよ」
「すごい略し方ね」
「普通さ。……カイ。そろそろ食事の時間みたいだぜ」



シリアスな発言の合間に、パッと思いついて口から漏れてしまったような発言が挟まれる。それを受けて場面が転換、次のシーンに移る。理屈と感情がないまぜになりつつ展開するような浮遊感、速度感。けっこうこんなやり取りが多用されます。

魔人ユイカが初めて召喚されるシーン。

「……手を、つなごう。私と。……あなたは、私のものだから! 契約魔人、フジシロユイカ!!」
 光が、自分の身体を通して迸る。
 あつい。
 不快ではない。
 夏に、水浴びをして暖められた石に横になる。瞼を通して感じる、水面のきらめき。
 そんなあつさとまぶしさだ。
 身体のかたちに光が押し出されて、それがそのまま身体になる。
 突然生々しくなったひとの気配に、カイは思わず目を開ける。
 知らない背中。髪の毛。後頭部。服。
 誰。
「誰」
 眼前の少女は、振り向いて不敵に笑う。右手の中指の腹を舐める、桃色の舌。薄い茶色の瞳。頭のかたちに添って切られた、前髪だけが少し長い茶色の髪。睫が光っている。茶色の上着に白いシャツ、臙脂のリボンタイ、極端に短いスカートにハイソックスと革靴。
「あなたの、フジシロユイカよ。カイ・ハイ」
「……誰?」
「喚んだくせに。まぁあたしはわかってるから心配しないでいいよ。あたしの使い方もあたしがおしえてあげられる。ただ、今すぐに理解して欲しいのは、あたしはカイの力だってこと。あたしはあなたのものだってこと。あなたの意志で動くってことよ」
 わからない。何を言っているの。



これも技ですね。主観的な感覚の描写から一転して名詞の羅列に。心地よい夢想的な感触が現実の重みで冷え固まったような。そこからユイカのわけのわからん台詞につないでさらに困惑ですね。


…とまあ、いつまでも引用を続けていきたいのですが、くどくなりそうなのでそろそろやめときます。
疎な文体なんだけど、行間・構成に神経が通っている感じが心地よいです。2巻はこれから読みます。


…ちなみに、魔人ユイカの能力は「振動(バイブ)」だそうで…使うと周りにいる人も気持ちよくなっちゃうんだそうで。
最初カイも相当いやがるんですが、しまいには決め台詞がこんな具合に…

「あなたの振動で、イかせてやって!」



やってくれますなぁ。


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落渕

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