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『幕末魔法士―Mage Revolution』

お久です。落渕です。
5月の文学フリマの申込〆切が迫っていますが、まだあたふたしております。
色々決まったらここで報告させてもらいます。

今日は普通に本の感想。
幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)
(2010/02/10)
田名部 宗司

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電撃大賞。おめでとございます。

タイトルがキャッチーでいいです。
短いフレーズで十分世界観が説明されていて人目を引く、いいですね。
幕末ものは大量に出ていますが、産業革命を魔法革命に入れ替えた、という設定は分かりやすいし新鮮味があります。

産業革命を他の何かに置き換える、っていう設定はどこかで見たような…
スチームパンクは架空歴史という点では同じだけど、あっちは産業革命以降の改変なんですよね。

…と『ディファレンス・エンジン』の解説をぱらぱらめくっていたら、ブルース・スターリングが短編「江戸の花」というのを書いていたそうですよ。へー。「明治初期、蒸気機関と電信が普及しはじめた日本」が舞台だそうで。SFマガジンでしか邦訳読めないっぽいですが…。


閑話休題。内容について。

印象としては「安定してる」ですね。
設定とかプロットに危うい所がないっす。幕末日本という枠に魔法設定を加えた、ということで書く方は取材とかが大変だったと思いますが、読む側としてはすんなり入れます。
筋立ても、読み終わって見返せば、良くも悪くも王道鉄板です。

ただ…特筆すべきは、主人公、久世伊織のキャラクター力、というか萌え力…。
表紙の通り、少女にしか見えない若侍。無愛想系で優秀な魔法士で、割と世慣れている設定なのですが、何か見てて危なっかしい印象があり、話の展開へのハラハラドキドキ感が倍化されます。
悪役側で、びっくりどっきりメカならぬ、びっくりどっきり魔法具が何点か出てくるんですが、「えっ、その器具何に使うの」的な気にならないこともない。一種、『マルドゥック・ヴェロシティ』を思い出しましたよ。作者が真性の変態である可能性を真剣に考慮すべきだろうか…。

話が逸れました。

……要約すると「ツンデレ美少女風侍に萌えればOK」みたいになってしまいそうだが、違う、そうじゃない、作品として高水準でまとまってるんだ、設定もちゃんと使いこなしてるし、話も上手くまとめて落としてるし。基礎部分のレベルが高いから、キャラが引き立つんですよ、そういうことです。

で、恒例の難癖。初回ということもあってか、主人公自身が葛藤する箇所はそんなになかったな、と。今回の話では、主人公に価値観の揺れとかってあんまないんですね。言わば、時代劇的な「悪を成敗」な流れなので。そういう意味で安定してしまっている所があるので、今後これをどう切り崩すか、というのが見どころじゃないでしょうか。今後の葛藤の種も今作で入ってきていたようなので。
(そういや『円環少女』は毎回ズタボロですねぇ…)

おいしゅうございました。
ごちそうさまでした。

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落渕
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