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星界の紋章

今回取り上げるのは森岡浩之氏の「星界の紋章」です。正直いささか古いですが、ライトノベルとしての娯楽性と、SF小説としての説得力を実にバランスよく実現している、なかなか興味深い小説です。

星界の紋章〈1〉帝国の王女 (ハヤカワ文庫JA)星界の紋章〈1〉帝国の王女 (ハヤカワ文庫JA)
(1996/04)
森岡 浩之

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要はスペースオペラ系のSF小説で、かつて人類に造られ、今は独立した種族であるアーヴの貴族になってしまった人類の少年が主人公です。アーヴは本質的に共同体に対して忠実であるようにデザインされたため、物語は全体的にどことなくユーモラスで、血で血を洗うような陰謀劇とは全く無縁です。主人公は偶然にアーヴの王女と知り合い、やがて恋愛感情を育んでいきます。この点では実にライトノベルっぽい展開だと言えるでしょう。

その一方で、入念に注意を払われた骨太の世界観が設定されており、その点では並のSF小説よりも余程説得力があります。超光速移動や超光速通信の存在(あるいは欠如)は軍事や社会にどのような影響を与えるのか? 膨大な人口を抱える星間帝国はどういった文化や政治形態を持ちうるのか? 異なる政治形態は言語やメンタリティにどういった差異をもたらすのか? 一般のSFもので軽視されやすい要素が無理なく小説内で説明され、矛盾を生みやすい要素が丁寧に潰されています。

個人的には、初代スタートレックの設定を考えた人が同じくらい技術や文化に注意を払っていたら、と思わずにはいられません……。
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