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『新幹線と私』 第三話

あたしがやってきた時には、隣の席の男性はサングラスとイヤホンを着けたまま寝ていた。
周りはあまり気にする質ではないので、そのまま座ってバッグから携帯を取り出す。

「……ん?」

さっきまでメールでやり取りしていた博多の友人からの返信が入ってない。
彼女の性格からして、即座に返信してからあたしの反応をやきもきしながら待つのが常なんだけれど。

まあ大した話をしていたわけじゃないし、ちょっと居眠りしてもいいかもしれない。
そう思ったところに、かすかに音漏れしたビートルズの曲が聞こえてきて、
あたしはハッとして隣の男性の顔を見つめてしまった。

昔あたしの恋人だったひとの好きな曲だったから。女子高の、先輩の。
目の前の「男性」は、彼女と瓜二つの顔をしていた。

そんなつもりは無かったんだけれど、もしかしたら思わず声をあげてしまっていたのかも知れない。
その人はゆっくりと目を開いて、こちらを見た。ぱちぱちと瞬きをして、あたしの顔を凝視する。

「……えっ、由香ちゃん!?」

「せ、先輩……」

愛するひとの昔と変わらない美しいアルトの声を聞いて、思わずあたしの目から涙が零れた。
感極まって抱きつくと、先輩は優しく抱きしめ返してくれた。

 * * *

気持ちが落ち着いてからも、先輩の控えめなバストの感触をしばらく堪能していたのは秘密だ。

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ラナクター

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